「氷と炎の歌」とは
-about A Song of Ice and Fire-

メディア、形態などについて
書籍(小説)です。分類としてはファンタジーでしょうか。
著者はGeorge R. R. Martin
長編シリーズ物で、英語版は現在4巻まで出ています。今年度中に5巻が出るはずです。
それぞれの題名は以下の通り。
 A Game of Thrones (1996)
 A Clash of Kings (1998)
 A Storm of Swords (2000)
 A Feast for Crows (2005)
 A Dance with Dragon (2006発売予定)
また、アンソロジーに収録された外伝的な短編があります。
 The Hedge Knight

一方、邦訳は現在2巻までハードカバーで出ています。
短編は、アンソロジーがそのまま和訳されて、文庫で出ています。
ちなみに、本編はハードカバーで上下段組にしてもなお上下巻になっています。
その文章量は推して知るべし。
おかげで、邦訳を全部買おうとすると値段がすごいことに。
ともあれ、書籍情報は以下の通り。

 七王国の玉座〈上〉―氷と炎の歌〈1〉 ISBN: 415208457X (2002/11)
 七王国の玉座〈下〉―氷と炎の歌〈1〉 ISBN: 4152084588 (2002/11)
 王狼たちの戦旗〈上〉―氷と炎の歌〈2〉 ISBN: 4152085975 (2004/11/10)
 王狼たちの戦旗〈下〉―氷と炎の歌〈2〉 ISBN: 4152085983 (2004/11/10)
 ジョージ・R.R. マーティン (著), George R.R. Martin (原著), 岡部 宏之 (翻訳)
 出版社: 早川書房

短編が収録されている文庫情報
 伝説は永遠(とわ)に―ファンタジイの殿堂〈2〉 ハヤカワ文庫FT
 ISBN: 4150202818 ; 2 巻 (2000/11)
 ロバート シルヴァーバーグ (編集), Robert Silverberg (原著), 幹 遙子 (翻訳)



ストーリー、世界観について
一言でいえば、複雑。管理人には簡単には説明できません。
ので、以下は支離滅裂ですがご勘弁下さい。
興味を持たれた方は、他の方のもっと素晴らしいレビューを探してみるか、実際に手にとって見るのがいいと思います。
ジャンルからいえば、ファンタジー大河小説になるのでしょうか?(これはジャンルなのか?)

まず、物語の世界全体は地球に似通っていますが、かなり異なっている部分もあります。
1年とは別に、もっと長い、不定の周期で繰り返す夏と冬。
北の果てにある、”壁”と呼ばれる建造物。
微かに、しかし、そこかしこに感じられる魔法や呪術の息吹。
そしてもはや伝説上の存在ではあるけれど、確かに存在したドラゴン。

一方、主な舞台となる七王国の文化は、11世紀〜14世紀の西欧に近いようです。
騎士たちは馬上槍試合を行い、王の影で権力争いが繰り広げられています。
現在の王の支配力は確固としたものではなく、肝心の王も政治には興味がないようです。
危うい状況の中、国の宰相ともいえる”王の手”暗殺がきっかけとなり、謎が謎を呼ぶ陰謀劇が幕を開けます。
なにやら小難しい政治劇の話に見えますが、王国を取り巻く事情はそう優しくはありません。
先王は諸公の反乱で廃されたのですが、その子供が玉座の奪還をもくろんでいます。
北の”壁”近くでは壁を越えて進入してこようとする存在があります。
そして、一旦事が起こったら、諸公は王国を支えるどころか好き勝手にやり始めて群雄割拠の時代になってしまいました。
あちこちであまりに多くのことが同時に起きます。
そして著者はそれらをそれぞれ描いて見せます。
単なる場面転換ではなく、「視点人物の切り替え」という技法で。
この、視点人物を設定することで物語に深みがでています。
紙の上には視点人物が見聞きし、考えた事しか記されません。
読者には視点人物というフィルタを通した物事しか示されないわけです。
視点人物が共感できない人物である場合、若干の苦痛に見まわれる事もあります。
しかし、各視点人物はそれぞれの事情で動き、他の行動を取り得ないことを感じる事が出来ます。
それぞれの動きが小さな波紋となって大小の悲喜劇を引き起こし、歴史となってゆくのが見えるのです。
そしてまた、各視点人物が過酷な状況を生き延びていくにつれ、成長していくのが見えるのも良い所です。
というより、成長を怠った時点でその人物は死亡確定なので、
むしろ、生き延びただけ愛おしさが増す、と表現した方がいいのかも知れません。

そして、ここまで書いてきてあまり触れませんでしたが、えぐい、生々しい描写が結構(かなり?)あります。
鼻を切り取られたとか、顔半分火傷で痕がひどいとか、字面だけで嫌になる方は絶対に読まないほうがいいと思います。
物理面だけでなく、人の残酷な面も容赦なく現実的に書かれています。
思い返すと、読んでいて気分が爽やかになる物語ではありません。
それでも、私は読んで「面白い」と唸らざるをえないわけですが。
なかなか言葉にするには難しいところです。



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